塾長の独り言 なぜ本物の実力は短期間に身に付かないのか?

プラトー現象とレミニセンス現象について。

(言葉は難しいが中身は簡単です)

 

今日はなぜ高校受験や大学受験及び司法試験などの資格試験

など「長期暗記」が要求される勉強は、勉強してなかなかすぐ

に効果が出ないのかについて述べたいと思います。

 

受験を経験された方は皆さん全員お分かりになると思います。

これは人間の脳のメカニズムが大きく作用しています。

人間の脳は毎日ある程度の一定量を積み重ねて学習していく

(継続した学習でないとダメ)と脳の中でこれは重要だという

優先順位が出来上がっていき、雑然とした知識と理解の積み

重ねが徐々に整理されていきます。

この期間がおよそ2~3か月ないしまたは3~4か月かかります。

(もちろん個人差があります)

つまりこの期間は脳が継続して学習した中身を熟成させて整理

する期間です。この期間で学習した知識が徐々に整然と整理され

より深く脳に定着していきます。

これを心理学用語で「プラトー現象」といいます。

 

そして2~3か月の熟成期間を得て脳がある程度完全に自分の

ものにした段階、つまりある「一定量の学習量とその質」が

満たされて初めて脳は「オッケー!今までのところ理解したよ」

というゴー・サインを出します。

つまりこの段階を経て初めてある程度急激に一時的にドンと

成績が上がります。これを心理学用語で「レミニセンス現象」

といいます。経験された方はお分かりになると思いますが

模試などの成績はある程度の期間コツコツ勉強したあと、

ある時本当に急にドンと上がります。そしてまた2~3か月

の熟成期間を経てその後また少しドンと上がります。

つまり実力試験用の実力はこのように2~3か月毎の熟成期間

の後に少しドンとあがり、また2~3か月の熟成後少しドン

と上がる。

これを何回も繰り返して徐々に実力と成績が上がっていき

ます。決して45度一気に右肩上がりには上がりません。

要は運動部の実力をつけるやり方と全く同じです。部活も

毎日少しづつ練習していつの間にか少しずつうまくなって

いきますよね。2~3日の練習で急にうまくなりませんよね。

それとまったく同じメカニズムです。

この2~か月の熟成期間を知らない人は成績が落ちたり、

伸び悩むとすぐ「スランプだ!」と捉えて焦る場合がありますが、

まったく気にしない方が良いです。誰でも成績の伸び悩む時期は

必ずあるからです。

 

つまりスランプは今脳が今まで学習した内容を整理してくれて

いる「プラトー現象」として捉え、歓喜の「レミニセンス現象」

が訪れるまでコツコツ腐らず勉強を継続することです。

つまり自分がスランプだと感じた時こそ、落ち込まず今まで

どうり同じやり方でコツコツやり続けることです。これこそ

スランプの唯一の脱出法です。スランプと感じて焦ってしまい、

今までと違う勉強のやり方をしたり、教材を替えたり増やしたり

してドツボにはまる人が実は物凄く多いのですよ。

 

但しこれは、あくまでも「長期暗記」の場合に該当するもので、

定期テストのような短期暗記とは別物です。短期暗記は試験前

2~3週間の間、ひたすら試験に出る範囲を理解して繰り返し

覚えるだけです。良い成績が取れたらそれで目標達成なので

オッケーです。

 

以上