2023年10月18日 / 最終更新日時 : 2023年10月18日 羽仁信一郎 娯楽小説 風になったアブラハム プロローグその1 風になったアブラハム 森 可南(もり かなん) これは実在のF2レーサーでもう少しで日本人初のF1レーサーに なるだろうといわれ、25歳の若さでサーキットに散った風戸裕 (かざとひろし)と同じく若くして死んだ裕の親友であ […]
2023年10月17日 / 最終更新日時 : 2023年10月18日 羽仁信一郎 娯楽小説 風になったアブラハム プロローグその2 プロローグ2 洗礼名・アブラハム・昭和24年 6月 千葉県茂原市郊外の小さなカソリック教会。そこで今まさに 「幼児洗礼」の儀式が厳かに行われていた。 大きな、少し色褪せた金色の十字架が掲げられた祭壇の前に、 黒いマントを […]
2023年10月16日 / 最終更新日時 : 2023年10月18日 羽仁信一郎 娯楽小説 風になったアブラハム 第1章 ベンチャーズとボーグルズ 第1章 ベンチャーズとボーグルズ 昭和39年~ 東京オリンピックが行われ、東海道新幹線ひかりが開通した昭和39年の春、洗礼名・アブラハムこと風戸裕は15歳の高校1年生に成長していた。 裕の父、風戸健二は裕の生まれた年に電 […]
2023年10月15日 / 最終更新日時 : 2023年10月18日 羽仁信一郎 娯楽小説 風になったアブラハム 第2章 コーヤマ・モータース 第2章 コーヤマ・モータース 昭和43年~ 昭和43年、めでたく高校を卒業した裕は半年だけ懸命に勉強して内部進学テストにかろうじて合格し、成蹊大学の経済学部になんとか入学した。ボーグルズのメンバーもみんな一緒に成蹊の大学 […]
2023年10月14日 / 最終更新日時 : 2023年10月18日 羽仁信一郎 娯楽小説 風になったアブラハム 第3章 雅晴の変貌 第3章 雅晴の変貌 昭和39年 裕がそのドライビングスキル(腕)を必死になって磨いていたころ、中野雅晴もまた着実にプロレーサーへの道をステップアップしていた。雅晴も裕と同じように大企業の社長の御曹司だった。彼は北澤バルブ […]
2023年10月13日 / 最終更新日時 : 2023年10月18日 羽仁信一郎 娯楽小説 風になったアブラハム 第4章 福澤幸雄(サチオ)死す 第4章 福澤幸雄(サチオ)死す 昭和44年 年が明けた1月の初旬のある午後、神山(こうやま)に1本の電話が掛かってきた。「神山さんですか? こちら鈴鹿サーキットです。去年お問い合わせ頂いていたブラバムのシャーシの件ですが […]
2023年10月12日 / 最終更新日時 : 2023年10月20日 羽仁信一郎 娯楽小説 風になったアブラハム 第5章 グレート猪瀬とタキレーシング 第5章 グレート猪瀬とタキレーシング 昭和45年 タキレーシングチームは1967年にレーサーの滝進太郎が30歳の時に立ち上げたプライベートのレーシングチームだった。進太郎は、名古屋の老舗繊維問屋「瀧定(たきさだ)」の正統 […]
2023年10月11日 / 最終更新日時 : 2023年10月20日 羽仁信一郎 娯楽小説 風になったアブラハム 第6章 風戸家のCAN・AMへの挑戦 第6章 風戸家のCAN・AMへの挑戦 昭和45年4月までポルシェカレラ910で連戦連勝を重ねてきた裕は、その後富士や鈴鹿だけでなく筑波サーキットなどに新たな戦いの場を広げていった。「今の裕ならどんな車でもこなせる」と、滝 […]
2023年10月10日 / 最終更新日時 : 2023年10月20日 羽仁信一郎 娯楽小説 風になったアブラハム 第7章 勝利の女神 第7章 勝利の女神 昭和46年 風戸レーシングのCAN・AMレースへの準備が着々となされていった。何しろ日本人初の挑戦なのでマスコミも大きく注目していた。猪瀬を中心に用意周到な準備計画が練りに練られた。資金面では今や莫大 […]
2023年10月9日 / 最終更新日時 : 2023年10月21日 羽仁信一郎 娯楽小説 風になったアブラハム 第8章 ヨーロッパフル参戦 第8章 ヨーロッパフル参戦 昭和47年 昭和47年(1972年)2月19日、裕は意気に燃えて羽田からロンドンに一人旅立っていった。3月12日から始まるF2にフル参戦するためだ。F2は全14戦、それにノンタイトル戦3戦を入 […]