塾長の独り言 MARCHと早慶との差について
前回述べたMARCH合格の話の続きとして、MARCH合格と早慶合格ではどのような
点が違うのかを具体的に述べたいと思います。
一番の差が出るのは受験勉強を本格的に始める時期とそれにかける時間量です。
つまり今まで全く勉強らしい勉強を高三になるまでしてこなかった人が、高三の
四月から本格的に受験勉強始めても、現役で早慶レベルに合格するのはかなり
難しいと言わざるを得ません。なぜならば早慶合格レベルに達するには毎日
5~6時間勉強しても最低でも一年半以上の学習期間が要求されるからです。
つまり今まで勉強をサボっていた人は早慶に受かりたければ遅くとも高二の
夏ごろには本格的に受験勉強を開始しないと間に合わない計算になります。。
大学受験入試はざっくりいうと中一から高三までの六年間の学習内容の集大成
が試験範囲です。
学校で6年間かけて学習した内容をたった1年未満の受験勉強で補うことが無理
なのは自明の理です。
早慶の現役合格者は少なくとも英語は早い時期、遅くとも高三の夏ごろには
高いレベル、つまりすでに早慶合格に匹敵するレベルに安定している必要が
あります。
さらに現代文の読解力はつけ刃の暗記作業だけでは追いつかないので、
これも同様に早い時期に基本語彙力(言葉の意味)や漢字の読み書き、熟語、
ことわざなどの意味等、土台となる基礎力を固めておく必要があります。
また英語や現代文の語彙レベルや歴史の出題範囲(難易度)からいっても、
所謂(いわゆる)教科書レベル以上の知識がかなり求められるので、一通り
の基本勉強が間に合うかどうかのギリギリの逆算計算の計画では時間的に
間に合わない可能性が高いからです。
つまりこの早い時期に実力の安定度があるかないかが、MARCH合格者と
早慶合格者の差の大きな要因の一つとなります。
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基礎学力プラス総合応用力が要求されるのが早慶レベルです。
基礎学力はかなりの量を暗記すれば身に付けることができますが、高度な
問題処理能力・スピード処理能力・読解力・推測力・表現力といった
総合的な応用力が早慶合格には要求されます。
つまりMARCHレベルまでは相当量暗記すればなんとか合格する可能性が
ありますが、早慶にはそれプラスこの総合応用力が無いと合格はまず無理だと
思われます。
このような総合応用力は短時間に簡単に身に付くものではありません。
普段から分からない単語が出てきたらただ意味を調べるだけでなく辞書に書いて
ある例文やその解説をよく読んで、その動詞の色々な意味や使い方(語法)を
よく理解する必要があります。
特に動詞には様々な語法(その動詞の使い方のルール)があり、その単語の
意味を2~3個だけ覚えてすます単語帳暗記では早慶受験には太刀打ちでき
ません。
また長文読解の予習の際にも筆者が何を言いたいのか、そこに何が書いて
あるのかなど、その文章の作者が何を読み手に伝えたいかをよく考えて
推測し、正しい日本語に直す作業が必要です。
この暗記作業だけでない、考える作業を地道に積み重ねる事によって少し
ずつ応用力が身についていきます。ですからこの総合応用力を身に付ける
には相応の時間と手間がどうしてもかかるのです。
以上